H-KのカンフルDaze(デイズ)

H-KのカンフルDaze(デイズ) > 月別アーカイブ [ 2012年07月 ]

本:家畜人ヤプー

前から読みたいと思っていた
「家畜人ヤプー」をようやく読了した。


1972年に角川から初版発行となった
文庫版を図書館から借りた。

正体不明の沼正三(覆面作家として活動)が、
『奇譚クラブ』というSM系雑誌に1956年から連載された
ものが書籍化された。

SF小説としてのその想像力はすばらしい上に、
マゾヒズム、汚物愛好、人体改造など、
そのグロテスクな描写は、閉口せざるを得ないほどのすさまじさ。

個人的に関心を持ったのが、
未来の世界では、女性中心になっており、
男尊女卑の逆になっている、という設定。
とても古い作品であるが、
女性の社会進出が目立ってきている今を風刺している
かのように感じた。

しかも、連載スタートから50年以上も経った小説であるにもかかわらず、
想像を絶する内容から、今でも、とても新鮮なSF作品として
読めることには驚きを感じる。

最後に、あとがきで著者のコメントがあったので、
少し紹介しておく。

本人は、終戦の時、学徒兵として外地の戦場に向かい、
捕虜となった際に、
ある白人女性から、マゾヒズムの性感を抱くことを強制されたという。
そして性的異常者として復員した。
当時、汚物愛好も当然存在したという。
その作者が徐々にその屈辱願望が高まり、
その内心の飢渇を満たすために、
本作品の世界を構想しはじめたのだとか。


本作品の未来にあるイースという架空の世界では、
想像を超えたグロテスクな生活様式が当たり前として存在する。
我々が普段の生活の中における「当たり前」「常識」としているものが
果たしてどうなのか?と
考えさせられる作品でもあった。


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